「ご存知」のお勧め文例30選とNG例
目次
若い頃会計事務所に勤務していたせいか
毎年この時期になると
確定申告の相談を受けます。
本業ではないので困ったものです・笑
今日も一件相談がありました。
「締切が迫っているので…」
「まだ何もしていなくて間に合うか…」
先方はかなり慌てているようです。
「今年はコロナ関連の影響で〆切は4月の15日になったのをご存知ですか?」
そうお答えするとほっとした様子でした。
この日頃何気なく使っている「ご存知」。
意味を理解して使っている方は
少ないとされています。
あなたは正しい使い方を知っていますか?
「ご存知」は使い間違いが起きやすいため、
意味と共に使い方を
正しく理解しておくことが大切です。
「ご存知」は
「知っていらっしゃる」という意味で
尊敬語です。
今回は「ご存知」の
意味や正しい表記・使い方・例文等を
お伝えしていきます。
「ご存知」という言葉は、
ビジネスシーンでは頻繁に使う言葉です。
是非参考にしてください。
尚、「ご存知」という表記が一般的ですが
正しい漢字表記は「ご存じ」です。
これに関しては様々な解釈があるようです。
「ご存知」と表記しても
間違いではありません。
むしろ、
ビジネス文書では「ご存知」と
書かれることの方が多いです。
「ご存知」の意味
「ご存じ」という言葉は
「存じる」の尊敬語です。
「知っている」という意味になります。
「ご存知」は「知る」の尊敬語ですから、
主語には「目上の人」がきます。
上司や取引先の相手に
「先日の問い合わせの件について、内田さんはご存知でしょうか?」
このように使うのは問題ありません。
一方で、自分を主語にして
「その件について、私はご存知ありません」
とするのは誤りです。
「ご存知」の使い方
相手がすでに知っていると
思われる事実について述べる場合は、
「ご存知」を文頭に置いて使います。
「ご存知とは思いますが、私、この度、東京に転勤することになりました」
また、
目上の人に対してある事実を
知っているかどうかを確認するときは、
以下のように
疑問文にすることが多いです。
「当社の新製品についてご存知でしょうか」
「ご存知」を他の表現に言い換えたい場合は、
「お聞き及び」を用いると良いでしょう。
「○○についてはお聞き及びでしょうか」
「すでにお聞き及びかとは思いますが~」
「ご存知」のお勧め文例30選
「ご存知」の例文を紹介します。
1、彼がどんな人であるか、あなたはご存知ですか。
2、彼女の秘密をあなたはご存知ですか。
3、ゴルフを上達させる練習方法を先輩はご存知ですか。
4、ご存知のとおり、来月より大阪支社へ転勤となります。
5、ご存知のとおり、あの会社にはそれを担うだけの資産がありません。
6、あなたもご存知のとおり、税理士試験の科目は5科目です。
7、あなたはその件についてご存じないのですか。
8、あなたは私が破産寸前であることを本当にご存じないのですか。
9、彼らは自分たちが所属している会社の本当の運営状況をご存知ないのですか。
10、ぜひとも、この会社の運営状況をご存知いただきたく、取り計らわせていただきます。
11、この度の震災の被害の規模について、是非ご存知頂きたく願います。
12、他の現場と比べ、この現場の作業は非常に難航している状況をご存知いただきたく存じます。
13、彼らの窮地についてはご存知のことと思われますが…
14、この会社の経営が火の車であることはご存知のことと思われますが…
15、この企画において彼の能力が素晴らしいことはご存知のことと思われますが…
16、もし、この新製品の使い方をご存知でしたら…
17、あなたが彼女の心境についてご存知でしたら…
18、この事業を助ける方法をご存知でしたら…
19、彼らの文化をご存知なければ、ぜひそれらについての勉強をなさってください。
20、この程度の基礎知識をご存知なければ、国家試験に合格するのはまず無理です。
21、この会社の体質についてご存じなければ、おそらくその問題は解決できないでしょう。
22、今後の株価と為替の動向について、あなたのご存知の範囲でかまいませんので、お答え願えますか。
23、その件につきまして、あなたのご存知の範囲でよいので話していただけませんか。
24、あなたのご存知の範囲で、このソフトウェアの使い方を教えてください。
25、ご存知のことと思いますが、私は来月いっぱいでこの会社を退職します。
26、ご存知とは思いますが、来週社長が本社から当店を視察にいらっしゃいます。
27、ご存知の通り、我が社は工作機械の部品の製造をしております。
28、今人気の、こちらの商品をご存知ですか。
29、ご存知かもしれませんが、私は以前〇〇社に勤めておりました。
30、この春より新しい助成金がでてきたのをご存知でしょうか。
「ご存知」のNG例
1、あなたの経歴と実績についてはよくご存知です。
2、新しい人事については私はまだご存知ありません。
3、新取引先のB社については調べました。すでにご存知です。
4、課長のご存知の範囲で明日部長を交え会議があります。
5、御社の事業内容と実績についてはご存知の通りです。
6、課長もご存知の通りこの度はご昇進おめでとうございます。
7、私がこの原因をご存知なければこの課題は解決しない。
このような使い方は誤りです。
「ご存知ですか」に対する正しい答え方
「谷田さんをご存知でしょうか」
と聞かれたときに、
「はい、ご存知です」
と答えるべきではありません。
これをそのまま使ってしまうと、
自分に対して尊敬語を
使っていることになります。
正しい答え方としては、
・存じております
・存じています
・存じ上げております
となります。
知らなかった場合には、
・存じません
・存じておりません
・存じ上げておりません
と答えます。
「ご存知」と「ご承知」の違い
「存知」は尊敬語のため、
”相手が主語”の場合に使います。
一方「承知」は基本的に、
”自分が主語”の場合に使うことが多いです。
けれども、「ご承知おきください」
「ご承知の通り」などと”
相手が主語”の場合にも用います。
「ご承知おきください」の意味は、
「あらかじめ知っておいてください・ご理解ください」
となります。
命令や要求といったニュアンスになるため、
目上の人には不適切です。
また、「ご承知の通り」としても、
「勿論、わかっているかと思いますが〜」
という意味合いで、
上から目線な印象を与えてしまいます。
「承知」は「(自分が)わかった・知ってる」
ということを伝えているので、
「ご承知」を相手に使ってしまうと
「知っておいて・わかっておいて」
という意味合いになってしまいます。
「存知」は
「知っている・思っている」という意味で、
相手が主語の際に使います。
そのため、
「(自分が)知っている・思っている」
というときは使えません。
「ご存知」をビジネスマンはどう使うか
「ご存知」についてお伝えしてきました。
いかがだったでしょうか。
ビジネスでは頻繁に使う
「ご存知」という言葉。
頻繁に使うからこそ
今更誰かに使い方を聞くことも
しづらい言葉です。
きちんと整理して正しく使いましょう。
「ご存知」は、自分以外に対して
「知っている」「分かっている」
ということを聞いたり
表したりする時に使用します。
自分のことでは使用できないため、
注意しましょう。
また「ご承知」は
押しが強い印象があるため、
「ご了承」が無難です。
使う相手や状況を
間違えないように注意しながら、
「ご存知」を正しく用いましょう。
「ご存知」「ご承知」を
正しく使えるようになると
仕事の幅が広がっていきます。
但し、「知っている」
ことを聞くということは、
ほんの少し言い方を間違えると
失礼にあたる危険があります。
そうならないためにも
「ご存知」の意味をしっかり理解し、
相手やシチュエーションに応じて
上手に使いこなせるようになりましょう。
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