「ご推察のとおり」のお勧め文例30選とNG例
目次
ある営業マンが来社されました。
なかなか優秀で印象も良好です。
話が弾みました。
営業マンは私に
「お話を伺うと、幅広い知識をお持ちとご推察いたします」
こんな一言を投げかけます。
こんな事を言われると
悪い気はしませんよね。
さらに話は弾みました。
私もクレーム対応のときなど
「心中をご推察いたします」
「お気持ちお察しいたします」
このようなフレーズを使っていました。
また、「推察」という言葉は
「ご遺族の心中をご推察します」
というように、
お悔やみの場面でよく見聞きされます。
似た言葉として「推測」や
「考察」などがありますが、
全く同じように使えるのかも気になります。
この記事では「推察」の意味や類語のほか、
ビジネスでの使い方を敬語表現に
直す方法も紹介しています。
あなたは「推察」という言葉を
普段からお使いになっているでしょうか。
ちょっと固いイメージにも
感じられる「推察」ですが、
この言葉の意味を
例文などを含めながら紹介していきます。
少しでも皆さんのお役に立てれられるよう
まとめてみました。
「推察」の意味
推察は、
「他人の思いや事情を状況から理解しようとすること」
です。
内面に隠れていて
はっきりと目や耳にできる形で
表されていないものを、
外から感じ取ろうとすることで、
胸中に納めている相手の思いを
読み取ろうとすることを表します。
相手からしたら
触れられたくないことを察し、
直接聞くのを避けるという時に
使うのが適している熟語です。
「推察」の読み方は「すいさつ」です。
意味は一言で言うと、
「推し量ること」ですが、
これだけでは意味が
今ひとつわからないという人も多いはずです。
もう少しイメージが湧くようにするには、
この意味の前に、
「人の気持ちを」や、「事情を」、
「状況を」などと
つけ加えるると分かりやすくなります。
これはつまり、
「推察」とという言葉は
主に対象が「人」の場合に
使われていることによるものです。
また、
対象の人に対しても状況が
はっきりしている場合や感情を
口に出しているなどの状況下では
「推察」は使われません。
あくまで内に秘めた感情などを
推し量る意味に使われます。
「推察」の使い方
「推察」の対象は「人の想いや考え」
「推察」の対象となるのは、
今月の売り上げのような数字に表れるものを
予測するようなものではありません。
「努力が報われなかった悔しさ」や
「内心焦りながらも静かに事の末を見守る」等、
具体的な形として表れない人の想いや考えが、
「推察」の対象となります。
「推察」は胸中を読み取る際に使う
自分の感情をあらわにしていたりや、
考えを言葉で表現しているような場面では、
「推察」という言葉は用いられません。
表情や言葉に出さず
胸中に納めている相手の思いを
読み取ろうとするときに、
「推察」が使われます。
つまり「推察」は、
内面に隠れていてはっきりと目や耳に
できる形で表されていないものを、
外から感じ取ろうとすることで、
相手が主張していないことも
分かろうとすることです。
そして、
大げさに励ましたり喜んだりするのではなく、
そっと思いを共有するに留めている
ゆかしい行為といえます。
「推測」とはどう違うのか
似た言葉に「推測」があります。
推測は客観的な事実をもとにして論理的に結論を導く。
デジタルで客観的。
推察は事情や他人を思いやる。
アナログで主観的。
このような違いがあります。
「推察」のお勧め文例30選
「推察」を用いた例文を紹介します。
参考にしてください。
1、このプロジェクトは困難が伴うと推察される。
2、大雨の被害は、市内の南側まで広がっていると推察される。
3、あなた様のご様子からご推察いたしますと…
4、ご多忙な日々をお過ごしのこととご推察いたします。
5、最近の社員の動揺はご推察のとおりです。
6、それはお困りのこととご推察いたします。
7、彼女の立ち振る舞いから心変わりしたことが推察できた。
8、決心が固いことは容易に推察できるだろう。
9、体調不良で外出もままならない状況と推察いたします。
10、私の気持ちは変わりません。ご推察のとおりです。
11、彼の日頃の行いから行先はパチンコ店と推察はつく。
12、彼は他人の気持ちを推察できないのが欠点だ。
13、この契約は長期戦になるものと推察できます。
14、アカウント名から女性であることが推察できた。
15、不慮の事故で亡くなった父の無念を推察するたびに、胸がギュッと締め付けられる。
25、お客様のご様子から推察いたしますと、現状の製品ではご満足に使える状態ではありません。
26、お忙しい毎日をお送りはじめていらっしゃる頃とご推察いたしておりましたので、ご連絡することを差し控えておりました。
27、今回のトラブルで、今後、事業展開は非常に困難になってくると推察されるのです。
28、今回の災害では、柏木地区で大きな被害が出てきたと推察されます。
29、推察するに彼の言っている内容を全て聞くのは違っている気がする。
「推察」のNG例
・ご推察するにこの契約は難航すると思われます。
・日程をご推察するにやや突貫工事になると感じました。
・これは全体会議での決定事項です。ですから推察です。
・過去の資料から推察してみました。
・天気予報から明日はかなりの確率で雨天だと推察できる。
・科学的なデータから故障の原因を推察する。
・この状況を何卒推察の通りです。
このような使い方は誤りです。
「推察」をビジネスマンはどう使うか
「推察」について、
意味や使い方をはじめ例文などを
紹介してきました。
「推察」の対象が「人」であり、
その「人」の心の中を推し量り、
それを察知することで
相手への思いやりの気持ちが出来て、
どのように接すれば良いかについても
見えてくるのではないでしょうか。
「相手の心中をくみ取る」ということは
人としての心の深さを深めることができて、
日常であるいはビジネスにおいて
人間関係を円滑にするために重要なため、
ここで得た知識は知識としてだけでなく
今後に役立てていただければ幸いです。
ここまで「推察(すいさつ)」の
意味を掘り下げてきました。
こうして見てみると、
日本語は「人をおもいやる」
文化であることが見えてきます。
特に、日本人は、
言葉で説明しなくても、
相手の心情を理解しよう・
されようとする文化とも言え、
相手の気持ちを「慮る(おもんばかる)」、
「察する」という言葉の意味でも
その様子がうかがえます。
これが、
日本の良さともいえる部分とも捉えられます。
しかし、
外国では言葉は
「伝えるためにあるもの」であり、
「言わなければ伝わらない」のが
当然と言えます。よって、
外国の方とのコミュニケーションは、
そこの違いを心得て
接する必要があるといえるでしょう。
観光地でも、
外国の方を多く見かけるようになった
現代ですが、
より外国の方にも「日本らしさ」や
「日本の奥ゆかしさ」、「日本の素晴らしさ」を
理解いただくためにも
より日本語を理解するとよいのでしょう。
「推察」をビジネスで用いるときは、
相手や場面によって相応しい言葉を
使い分けることが大切です。
最適な言葉を選びスムーズな業務や
豊かな人間関係の構築のために
この記事がお役に立てれば幸いです。
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