「不徳のいたすところ」のお勧め文例30とNG例
目次
「不徳の致すところです」という
言い回しを聞いたことはありませんか。
不祥事を起こした企業の謝罪会見や、
政治家が謝罪する記者会見の場で
耳にすることがあると思います。
責任者が頭を下げながら
この言葉を口にしているシーンです。
自身の反省の意を表す言葉として、
謝る際に使われますが、
正しく意味を理解していない方は
意外に多いものです。
不徳の致すところとは、
私の精神的な未熟さがまねいた(悪い)結果、
という意味で、
失敗を犯したり、
部下の罪を見逃してしまった人の
反省の弁として用いられます。
以前紹介した
「慚愧の念にたえない」や
「忸怩たる思い」などと同様の意味です。
すなおな反省や謝罪の言葉が言えないので
漢語的慣用句にによりごまかす。
政治家などの発言を聞いていると
そのように受け取られてもいますね・笑。
それでも自分にも多少の責任はある
(あくまで「過失」ではあるが)
と表明しているのでまだましなのでしょう。
出来れば使いたくない言葉ではありますが
過失や過ちはいつ何時襲われるかは
わかりません。
憶えておいた方が良いフレーズのひとつです。
ここでは「不徳の致すところ」の意味や
正しい使い方・類語について記事にします。
謝罪文や謝罪メールの例文も
紹介するので参考にしてください。
「不徳のいたすところ」の意味
「不徳といたすところ」とは
「自分の不徳のせいで起きた結果」、
つまり「責任は全て自分にある」
と表明する際のセリフです。
「不徳」とは
「自分の不徳のせい」=「自分のせい」
という認識でいいのですが、
この「不徳」とは何なのでしょうか。
「不徳」の意味を見ていましょう。
・人の行うべき道に反すること
・徳が備わっていないこと
やっちゃいけないことをするのが「不徳」?
「徳が備わっていない」とは?
そもそも「徳」って何なのでしょうか。
「徳」とは
「徳」の意味は「神仏の加護」、
「富や財産」、「生まれ持った才能」
などいくつもありますが、
ここでの意味にふさわしいのは
「精神を磨くことで身に付く品性や気質」
でしょう。
つまり、
「不徳の致すところ」とは「品性や気質に問題があったため起きてしまいました」
という意味になります。
言い換えれば
「私の人間性に問題があったことが原因です」。
何か失敗をした時に
人間性まで否定されると傷つきますよね。
それを自分で否定するくらい
大反省しているということです。
「不徳のいたすところ」の使い方
「不徳の致すところ」は
一般的には謝罪の時に使われる表現ですが、
この表現自体には
謝罪の意味合いはありません。
ですから、
謝罪の言葉を添えて
使うようにしましょう。
また、
不徳は不道徳から起こることであり、
ビジネスシーンでは法に触れるような
重大な失態に対して
使うのが好ましいでしょう。
たとえば、
コンプライアンス違反などの謝罪は
「不徳の致すところ」を使えますが、
クレームに対しての謝罪の場合には
基本的には重すぎる表現になります。
「不徳のいたすところ」のお勧め文例30選
「不徳のいたすところ」の
例文を紹介します。
1、今回の不祥事につきましては、私の不徳のいたすところであり、反省しております。同じことを繰り返さないように、善処いたします。
2、この結果につきましては、すべて私の不徳のいたすところです。しかるべき責任を取りたいと存じます。
3、すべてが私の至らぬところ、不徳のいたすところが理由です。
4、今回の報道に関しましては、私の不徳のいたすところであり猛省しています。
5、今回の騒動は弊社の不徳のいたすところです。つきましては再発防止に努めていく所存です。
6、女性問題について報じられていることは事実であり、すべて私の不徳のいたすところでございます。
7、ご迷惑をおかけし誠に申し訳ございません。この度の製品不良に関しましては、すべて私どもの不徳のいたすところでございます。
8、この度の事故はすべて私の不徳のいたすところです。申し訳ございませんでした。
9、妻子ある身でありながら他の女性と交際していたのは、私の不徳のいたすところです。
10、異物混入の原因は、ひとえに管理責任者である私の不徳のいたすところです。
11、先日の不適切な発言は私の不徳のいたすところと、深くお詫び申し上げます。
12、息子の不始末は、私ども夫婦の不徳のいたすところです。
13、私どもの不徳のいたすところにより、御社に多大なるご迷惑をおかけしました。
14、部下の不手際は私の不徳のいたすところで、お恥ずかしい限りです。
15、システムトラブルを予測できなかったことは、ひとえに弊社の不徳のいたすところです。
16、このたびのデータ流出は当社の不徳のいたすところと、猛省しております。
17、今回の不始末は弊社の不徳のいたすところであり、謙虚にかつ厳粛に受け止め、今後はさらに厳しい商品管理体制のもと全社員が一丸となって、再発防止の徹底に努める所存でございます。
18、この度のことは弊社の不徳のいたすところであり、皆様には多大なご迷惑とご心配をおかけしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。
19、確認を致しましたところ、誠にこちらの不徳のいたすところであり、上司としての責任を痛感しております。
20、今回の失態は、すべて私の不徳のいたすところです。申し訳ございませんでした。
21、この度は私の不徳のいたすところで、皆様に多大な迷惑をおかけしてしまい大変申し訳ありません。
22、今回の不祥事を引き起こしたのは私どもの不徳のいたすところでございます。深くお詫び申し上げます。
23、この度は弊社の不徳のいたすことろにより、多大な迷惑をおかけしてしまいました。深くお詫び申し上げます。
24、私の不徳のいたすところであり、猛省しております。今後同じ過ちを繰り返さないよう努力いたします。
25、この度の不祥事は私どもの不徳のいたすところであり、ご迷惑をおかけしましたことを陳謝申し上げます。
26、このような事故が頻発したのは私どもの不徳のいたすところが原因であり、遺憾に堪えません。
27、今回は私の不徳のいたすところにより、大変ご迷惑をおかけしました。二度と同じ過ちを犯さないよう善処します。
28、この度の誤発信は私の不徳のいたすところです。深く謝罪いたします。
29、未だにそのプロジェクトが成功しないのは、誠に不徳のいたすところでございます。
30、御社に莫大な損失を与えてしまいました。私の不徳のいたすところでございます。
「不徳のいたすところ」のNG例
・この度の納期の遅れはすべて私の不足のいたるところです。
・全体会議に遅刻いたしましたのは私の不足といたすところであり大変に申し訳ございません。
・全てはあなたの不徳といたすところです。
・この度は私の不徳といたすところによって度重なるご迷惑をおかけしました。どうか穏便に対応くださいませ。
・このような事態を招いてしまったのは、すべて私の不徳といたすところです。対応に時間がかかりますがしばらくお待ちくださいませ。
・全ては私の不徳といたすところです。大目に見ていただけると助かります。
・今回の件に関しては私の不徳といたすところですが、致し方ない部分もございまして…
このような使い方はNGです。
「不徳のいたすところ」ビジネスマンはどう使うか
「不徳のいたすところ」は、
「自分の不徳が原因となって引き起こしてしまったこと」
という意味です。
品性を疑われることや、
人徳に反することをしてしまったせいで
相手に迷惑をかけた時の謝罪に使います。
ささいなミスなどで頻繁に使うと、
逆に誠意が伝わりにくい場合もあるので、
注意しましょう。
ただ反省を示せばいいというわけではなく、
相手や場面を
しっかり見極めて使い分けることで、
謝罪の言葉からも
自分の評価をアップさせることに繋がります。
「不徳のいたすところ」を
その場しのぎにつかうと逆効果です。
言葉も大切なのですが
本当に猛省しているのかどうか。
そこが問われるフレーズだと思います。
当然ですが、カタチばかりの謝罪は
相手には伝わりません。
過失や誤りを犯してしまったときは
自分の非を認め
心から詫びる素直さを持ちましょう。
そして、
どうしたら償えるのかを考えましょう。
人は過失や誤りからも成長できるのですから。
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