「幸甚に存じます」のお勧め文例30選とNG例
目次
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営業マン時代(現在もですが)、
これはという経営者様に出会うと
必ずお葉書を出していました。
「先日は高名な○○社長とお会いすることができて幸甚に存じます」
このような書き出しで
文章を始めていました。
「静かに見守っていただけたら幸甚です」
いつだったか、
坂本龍一さんがこのように
コメントしたことがあります。
「ありがとうございます」「嬉しいです」
という言葉をより丁寧に伝えようと
思った経験はあるでしょうか?
この言葉は主にビジネスの場で
用いる言葉ではありますが、
そういった場面で
用いることができる言葉となっています。
ビジネスの場では
さまざまな人と関わりをもちます。
その都度、
相手と自分との関係性や
内容の重要度に応じて、
いくつかある言葉から
適切なものをチョイスする必要があります。
今回はそのような、
ビジネスシーンでよく使われる
数ある言葉の中から、
「幸甚」という言葉に
スポットを当ててみました。
「幸甚」とは
どのような意味を持っているのか、
どのように使用するのが適切なのか。
使用を誤りやすい
言葉の一つとして有名ですので、
この機会にきちんと理解しておきましょう。
「幸甚」の意味
「幸甚」は「こうじん」と読みます。
「非常にありがたい」や「とても嬉しい」
などの意味を持っており、
その気持ちを表現する時に使用します。
「幸甚」の「幸」は幸せと、
「甚」は甚だと訓読みできます。
つまり「幸甚」は甚だ幸せ、
とても幸せとの意味になり
相手への感謝や
へりくだった気持ちを表すときに使います。
辞書での幸甚の意味は
「何よりの幸せ、幸福の最上表現」です。
万一意味を忘れてしまっても
「幸甚」を構成する二つの漢字に着目し、
それぞれ意味を辿って組み合わせれば
想起することができますので、
このことも合わせて憶えておいて下さい。
「幸甚」の使い方
ビジネスのシーンでは、
手紙やメールなどの文章で
用いられることがあります。
手紙やメールを書く場合、
目上の人への挨拶や取引先との連絡事項
などでは文語体の単語が用いられます。
そのほうが儀礼的であり
誰に対しても不快感を与えないからでしょう。
拝啓や「敬具」など
会話では使わない単語が多くあります。
「幸甚」もその一つで、
原稿を読む場合は別として
口語で使われることはあまりありません。
「幸甚」を使用する上で
ポイントとなる点は「幸甚」が
「幸福の最上表現」だという点です。
「最上の幸せ」即ち
「これ以上幸せなことはございません」
といった意味合いを伝える言葉ですから、
繰り返し、
頻繁に使用できる言葉ではない
と言えます。
逆に使用し過ぎると、
大変硬い表現でもあることから
相手に対してよそよそしい感じや
大袈裟な印象、
あるいは「くどい」といった
印象を与えることになり却ってマイナスです。
従って「幸甚です」を使用する場合は、
同一文章内では一つに留めることが基本です。
「幸甚」のお勧め文例30選
「幸甚」を使った例文を紹介します。
参考にしてください。
6、今月は、少し早めに生産報告をいただけますと幸甚に存じます。
7、幸甚に存じます理由は、御社様と今年も引き続きお取引をさせていただけるからです。
8、弊社でのビジネスミーティングにご参加いただると幸甚でございます。
9、商談でのご賛同に対し幸甚に存じますが、ご厚意に甘えないよう努力を続ける所存です。
10、ミーティングで前向きな話し合いができたことは、弊社にとっても幸甚の至りです。
11、今回は厳しい納期に間に合わせていただいて、幸甚の至りです。
12、ぜひ、営業部長様にお話をつなげていただければ、幸甚の至りに存じます。
13、素晴らしい事業計画をいただき、スタッフ一同、幸甚の至りに存じます。
14、次回、ゲストとしてご出席いただければ幸甚に存じます。
15、つきましては、事故に関する調査記録をお送り頂けましたら幸甚です。
16、お心当たりの方、当方までご一報いただければ幸甚に存じます。
17、先生に思いがけず再会でき、幸甚の至りです。
18、この度は御社の記念式典にご招待いただき幸甚です。
19、お気遣いをいただき大変幸甚に存じます。
20、今後ともぜひご愛顧を賜れましたら幸甚でございます。
21、資料にお目通しをいただけましたら幸甚に存じます。
22、お早めにご確認をいただけましたら幸甚でございます。
23、お手すきにお電話を頂戴できましたら幸甚に存じます。
24、弊社へのご来臨を賜れましたら幸甚です。
25、お気に召していただけましたら幸甚です。
27、受け取っていただければ幸甚です。
30、心ばかりの御礼といたしまして当地の名産品をお送りしました。お気に召してもらえたら幸甚です。
「幸甚」のNG例
・先日は弊社にお越しいただき幸甚です。また貴重なご意見をいただき幸甚です。
・日頃のご愛顧幸甚に存じます、またこの度の新装開店においてはお花をいただきあわせて幸甚に存じ上げます。
・ライバルB社をしのぐことができ幸甚だ。
・お礼としてギフト券を同封いたしました。お受け取りくださると幸甚の極みであり、喜んでいただければ幸甚の至りです。
・(口頭で)お褒めいただき誠に幸甚です。
・今回の自分の出した成果に対しては幸甚な思いだ。
・大変幸甚ではございますが、上記の件お願いできませんでしょうか。
このような使い方は間違いですから
注意が必要です。
「幸い」と「幸甚」の意味の違い
「幸いです」という表現を、
さらに丁寧に改まった形にした表現が
「幸甚です」というものです。
お伝えしてきたように
「幸甚に存じます」や「幸甚の極みです」
などのように使用されます。
これは
「この上なく幸せです」「最上級の幸せです」
という意味の言葉です。
「幸いです」という表現も
「幸甚です」という表現も、
どちらもプラスの意味を持つものですし、
目上の人にも使える表現です。
しかし、柔らかな依頼の表現なので、
緊急性を要するような物事を伝える際には
使用しないようにしましょう。
「幸甚」をビジネスマンはどう使うか
営業マン時代、
アポイントをとりずらい目上の方に
「ご面談くだされば幸甚です」と
面談希望のお葉書をだしてから
電話を入れておりました。
比較的アポイントは
取りやすかった記憶があります。
幸甚というのは、
非常に改まった表現です。
親しい間柄で使用するのには
重すぎる表現になりますので、
注意が必要です。
社外のお客様や目上の人などを
対象にして使用するようにします。
使用する際には、繰り返しになりますが
「幸甚です」という言葉を連発しないように
注意しましょう。
何度も繰り返して使うことで
意味が薄れてしまい、
かえって気を悪くしてしまう人もいます。
一度のメールや手紙に対して、
一回使えば十分である表現です。
プラスの意味を持つ言葉ですが、
強要するような表現ではないため、
絶体にしてもらいたい事がある際には
使用しない方が良いでしょう。
「幸甚」の意味は
おわかりいただけたでしょうか。
「~していただけると嬉しいです」
「~してくださってありがとうございます」
これでも普段は問題ないでしょうが、
相手がかなり偉い人であったり、
かしこまった場面であったりすると、
少しくだけすぎです。
「幸甚に存じます」のような
言い方を身につけておけば、
いざという時にも安心です。
ぜひ参考にしてください。
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