「お引き立てにあずかり」のNG例とお勧め文例30選
目次
「お引き立てにあずかりまして」
日頃の感謝の意を表すフレーズです。
できる営業マンは「お引き立て」を
正しく上手に活用し、
相手や場面に応じて
類語も使い分けています。
挨拶に必須ともいえる言葉で、
あなたの印象をも左右しかねません。
それだけに、意味を理解して、
ミスなく使いこなしていきたいものです。
行きつけのお店などで買い物をすると、
「毎度、お引き立てにあずかりまして、ありがとうございます。」
このようなお礼を受けることがありますね。
ビジネスシーンでは、
挨拶の際に使われ、
他にも文書やメールでも使われています。
「お引き立てにあずかりまして…」
と定型文のように書かれており
わかったようなつもりで
つい見過ごしがちですが、
この「お引き立てにあずかりまして…」
はビジネスシーンでも、
良く使われる言葉です。
今日は「お引き立てにあずかりまして」
の意味や使い方、類語との違いについて
記事にしてみました。
「お引き立てにあずかり」の意味
「お引き立てにあずかり」の
意味から見ていきましょう。
「お引き立て」は、
自分がひいきにしてもらっている
相手に対して使う言葉です。
自分のことや自分が行った働き、
成果を相手が気に入ってくれているとき、
日頃から世話をしてもらっている相手、
目をかけてもらっている相手などに
使えます。
ビジネスシーンでは、
取引を継続して行っている取引先に
対して使う場合が多いです。
目上や上司、お世話になっている取引先
などに使うようにしましょう。
前置きが長くなりましたが、
「お引き立て」の意味は、
一段と見栄えがするようにする、
奮い立たせる、などの意味があります。
特に目をかけたり、
ひいきにすることを指しています。
ひいきにしてもらうとの事実だけでなく、
感謝や尊敬の意味も含めて
相手に伝えることができる言葉です。
「お引き立てあずかり」の使い方
では「お引き立てにあずかり」の
実際の使い方をみていきましょう。
「お引き立て」は相手を選ばない
ビジネス敬語の難しさのひとつに、
相手によって使えたり使えなかったり。
このようなケースが多いです。
例えば、目上の人にしか使えない、
などです。
ですが、「お引き立て」という言葉は、
使う場面さえ相応しければ、
どのような相手でも違和感がありません。
「お引き立て」の用途
ビジネス文書のなかで「お引き立て」は
頻繁に登場します。
特に着任や退任、転勤や赴任の挨拶状では
定番フレーズで使われています。
またお詫び状でも便利に使われます。
冒頭部分で「お引き立て」
ビジネス文書の冒頭では、
「いつもお世話になっております」
と同じニュアンスで
「お引き立て」が使われます。
「決まり文句」と言っても良いでしょう。
例文は後に列挙しますが、
冒頭部分の定型文としては、
「拝啓 時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。平素は格別のお引き立てをあずかり厚くお礼申し上げます。」
このようなパターンが典型です。
個人同士の手紙であれば
「拝啓 お元気ですか」
のように書き始めますね。
このビジネス版、法人版と
考えて良いでしょう。
「お引き立て」のNG例
差し出がましいようですが、平素は格別のお引き立ていただきありがとうございます。
僭越ながら今後ともお引き立てのほどよろしくお願いいたします。
ご存知の通りいつもお引き立ていただきありがとうございます。
ご丁寧にお引き立てにあずかりありがとうございます。
いつもお引き立ていただきお世話様です。
お取込み中お引き立ていただきありがとうございます。
ご迷惑かと存じますがお引き立てのほどよろしくお願いいたします。
これらの使い方は間違いです。
お詫び状の文末で「お引き立て」
お詫びに弁解はNG例
「お引き立て」は文末に使うこともあります。
特に、お客様へのお詫びの文章です。
ビジネスシーンでのお詫びは弁解は禁物です。
こちらの不手際を認めお詫び申し上げた上で、
「今回は許してください、どうかこれからもよろしく」
このニュアンスを丁寧に表現するため、
「お引き立て」の定番フレーズがあります。
「このたびの件につきまして、重ねてお詫び申し上げますとともに、今後ともかわらずお引き立てにあずかりますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。」
お詫び状の文末の決まり文句です。
覚えておくと何かと役に立つでしょう。
「お引き立てにあずかり」のお勧め文例30選
「お引き立てにあずかり」
例文をあげておきます。
参考にしてください。
1、「今後とも変わらぬお引き立てにあずかりますよう、よろしくお願い申し上げます。」
2、「○○の社長に就任することとなりましたので、よろしくお引き立てにあずかりますよう申し上げます。」
3、「九州出張中は、公私にわたりお引き立てにあずかり、深く感謝しております。」
4、「四月より総務課に移りました、誠心誠意努力する所存ですので、何卒お引き立てにあずかりますよう、お願い申し上げます。」
5、「残暑厳しき折、皆様ますますご健勝のこととお喜び申し上げます。日頃は格別のお引き立てをあずかり、心よりお礼申し上げます。」
6、「これも皆様のご協力のおかげと深く感謝しております。何卒倍旧のお引き立てにあずかりますよう、社員一同心からお願い申し上げます。」
7、「よりよい製品を皆様にご提供できるよう努力してまいりますので、倍旧のお引き立てをあずかりますようお願い申し上げます。」
8、「平素は格別のお引き立てにあずかり、心より感謝申し上げます。」
9、「今後ますますのお引き立てにあずかりたく、ささやかではございますが弊社大忘年会にお招き申し上げます。」
10、「日頃、お引き立てにあずかるお取引様各位をお招きし、恒例のゴルフコンペを催すことといたしました。」
11、「これもひとえに皆様のお力添えのおかげでございます。これからも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願いいたします。」
12、「平素はひとかたならぬお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。」
13、「貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。」
14、「旧年中は格別のお引き立てをいただき、衷心より感謝申し上げます。」
15、「今後益々のお引き立てにあずかりたく、ささやかではありますが小宴を催したいと存じます。」
16、「来年度より理事に就任することになりました。今後ともお引き立てくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。」
17、「より良いサービスを皆様に提供できるよう、尽力してまいりますので、これまで同様、お引き立てくださいますようお願いいたします。」
18、「弊社は、来る令和2年2月1日をもって、創業80周年を迎えます。これもひとえにお客様各位の変わらぬお引き立ての賜物と衷心より感謝申し上げます。」
19、「このたび、執行役員に就任いたしました。(中略)今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。」
20、「四月より営業部に移り、法人営業を担当することになりました。微力ではありますが、誠心誠意努力いたす所存ですので、何卒変わらぬお引き立てを賜りますよう、お願い申し上げます。」
21、「寒さひとしお厳しい毎日、皆様ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。日頃は格別のお引き立てを賜り、心よりお礼申し上げます。」
22、「もとより、これも皆様のご協力のおかげと深く感謝しております。何卒倍旧のお引き立てを賜りますよう、社員一同心からお願い申し上げます。」
23、「よりよい製品を皆様にご提供できますよう努力してまいりますので、今後ともお引き立てのほどお願い申し上げます。」
24、「今後益々のお引き立てにあずかりたく、ささやかな懇親会を催しますのでご招待申し上げます。」
25、「当店もこの三月で開業30周年を迎えることとなりました。今後とも末永くお引き立てにあずかりますようお願い申し上げます。」
26、「平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。誠に勝手ながら、弊社では下記の期間を年末年始休業とさせていただきますので、ご案内いたします。」
27、「残暑お見舞い申し上げます。平素は格別のお引き立てにあずかり厚く御礼申し上げます。暑さに負けずスタッフ一同皆様のお越しをお待ちしております。」
28、「本年は格別のお引き立てにあずかり、誠にありがたく厚く御礼申し上げます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。1月の予約日をお知らせいたします。」
29、「平素は格別のお引き立てにあずかり、誠にありがとうございます。さて、弊社は下記内容にて幕張メッセでのオーガニックジャパン2020に出展します。」
30、「平素は格別のお引き立てにあずかり、ありがたく厚くお礼申し上げます。誠に勝手ながら、当店では下記期間に営業時間を変更させていただきます。お客様にはご不便をおかけしますが、予めご了承いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。」
「お引き立て」を使った言い回し
「お引き立て」の言い回しは
「お引き立てにあずかる」
だけではありません。
ここでは、「お引き立て」を
使った他の言い回しを紹介します。
お引き立てを賜る
「賜る」は「もらう」をへりくだった語です。
・日頃より格別なお引き立てを賜り、誠にありがとうございます。
「いつも特別なひいきをいただき、本当のありがとうごさいます。」の意。
・今後とも倍旧のお引き立てを賜りますようお願い申し上げます。
「今後も、以前にも増してごひいきいただきますようお願いいたします。」の意。
※「倍旧」は「以前よりも程度を増す事」の意味です。
お引き立ていただき
・平素より、一方ならぬお引き立ていただき心より感謝申し上げます。
「日頃より、たいへんなひいきをいただき心より感謝いたします。」の意。
「お引き立てのほどよろしく」
・これもひとえに皆様のお力添えのお蔭でございます。
今後とも変わらぬお引き立てのほどよろしくお願い申し上げます。
「今後も、今と変わらないひいきをよろしくお願いいたします」の意。
「お引き立て」の類語表現
ここでは、「お引き立て」の
類語表現を紹介しておきます。
言葉は状況によって
使い分けるのが大切です。
ここで確認しておきましょう。
ご愛顧
「ご愛顧」は「お引き立て」と
ほぼ同じ意味です。
「お引き立て」と同じくらいの頻度で
よく用いられている言葉です。
ご恩顧
「恩顧」の意味は、
「特別に目をかけて援助すること」です。
「援助」との意味が入るので、特に、
経営などで「助けられている」と感じる。
そういった感謝を示したいときには、
「ご恩顧」を使うと良いでしょう。
ご高配
「高配」は
「相手の心配りを敬意を持って表す語」
です。
上得意先や長い取引関係のある
相手などに使うことが多いです。
相手を敬う気持ちや特別感が
強い表現だと言われています。
ご贔屓
現代では、商い言葉としての
イメージが強くなっています。
あまり広くは用いられず、
小売店や商社などが
使うことが多いです。
「お引き立てにあずかり」営業マンはどう使う?
いかがだったでしょうか?
「お引き立て」は日頃の感謝を表す言葉です。
「引き立てをもらうこと、くれた相手に対する感謝を示す前の言葉」
として用いられることが多いです。
そのため、主に目上の相手、
立てるべき相手に使用されます。
定型句として使われる
「お引き立てにあずかり」
だからこそ、
正しく理解しTPOに合わせて
使い分けていきたいものです。
特に印象に残りやすい
冒頭と結びだからこそ
間違えると目立ちます。
日々の仕事の中で、
使えそうな場面に出会ったら、
先ずは使ってみましょう。
使い方を踏まえてお客様に
対応できるようになれば
あなたの印象は
さらにアップすることでしょう。
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